日本共産党のジェンダー平等政策
ジェンダー平等政策の概要
日本共産党のジェンダー平等政策は、憲法に基づく個人の尊厳と法の下の平等を徹底することを柱としている。男女賃金格差の是正や非正規雇用の改善、長時間労働の是正によって、性別による経済的不平等を解消するとする。また、選択的夫婦別姓の実現、同性婚の法制化、性自認・性的指向に基づく差別禁止法の制定を掲げ、多様な家族形態と生き方を保障する。さらに、性暴力・DVの根絶、包括的性教育の推進、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの尊重を重視し、政治分野ではクオータ制などによる女性の意思決定参画の拡大を目指している。
ジェンダー平等の基本理念
日本共産党のジェンダー平等政策は、憲法にうたわれた「個人の尊厳」と「法の下の平等」を社会のあらゆる分野で実質化することを基本理念としている。同党は、ジェンダー不平等を個人の意識や文化の問題に還元するのではなく、雇用、家族制度、教育、政治、社会保障などに組み込まれた構造的問題として捉え、制度改革によって是正すべきだと位置づけている。
経済分野におけるジェンダー平等
まず経済分野では、男女賃金格差の是正を重要課題としている。日本では女性の非正規雇用比率が高く、賃金や昇進で不利な扱いを受けている現状があるとして、同一価値労働同一賃金の徹底、最低賃金の引き上げ、間接差別を含む性差別の厳格な禁止を主張する。また、長時間労働を前提とした働き方が、家事・育児・介護を担わされがちな女性の就業継続を困難にしているとして、労働時間短縮とワーク・ライフ・バランスの確立を重視している。
家族制度におけるジェンダー平等
家族・民法制度の分野では、選択的夫婦別姓の実現を一貫して求めている。現行制度が事実上女性に改姓を強いている点を、人格権の侵害でありジェンダー不平等の象徴だと批判している。また、家族の多様性を尊重する立場から、同性婚(法律婚)の法制化を支持し、性的指向や性自認によって法的保護の有無が左右されるべきではないとしている。
LGBTQ+に関する政策
LGBTQ+に関する政策では、差別禁止法の制定を重要な柱に掲げている。性的指向・性自認を理由とする差別やハラスメントを明確に禁止し、教育、雇用、医療、住宅などの分野で実効性ある救済措置を整える必要があるとする。いわゆる「理解増進」だけにとどまらず、法的拘束力を持つ制度が不可欠だという立場である。
性暴力とセクハラ
暴力と人権の問題では、性暴力、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアルハラスメントを重大な人権侵害として位置づけ、その根絶を目指す。刑法の性犯罪規定の見直し、被害者中心の司法手続き、相談・支援体制の拡充、加害防止教育の強化などを提案している。また、性被害が被害者の沈黙や自己責任論によって隠蔽されがちな社会構造そのものを変える必要があるとする。
教育分野におけるジェンダー平等
教育分野では、包括的性教育の推進を掲げている。性に関する正確な知識と、他者の尊厳や多様性を尊重する態度を育てることが、望まない妊娠や性暴力、差別の防止につながるという考え方である。これと関連して、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を重視し、妊娠・出産・中絶に関する自己決定権を尊重する政策を求めている。
政治分野におけるジェンダー平等
政治分野では、意思決定過程への女性の参画拡大を重視している。日本の女性議員比率の低さを民主主義の欠陥と捉え、政党や議会におけるクオータ制など、積極的改善措置の導入を検討すべきだとする。また、党自身も候補者や役員における女性比率向上に取り組む姿勢を示している。
ジェンダー平等の国際運動
さらに、日本共産党はジェンダー平等を国際的課題としても捉えている。国連の女性差別撤廃条約(CEDAW)をはじめとする国際人権基準を誠実に履行し、勧告を国内政策に反映させることを日本政府に求めている。ジェンダー平等は「特定の人のための政策」ではなく、社会全体の民主化と人権保障を前進させる普遍的課題だという位置づけである。
まとめ
総じて日本共産党のジェンダー平等政策は、差別の是正と多様性の尊重を社会制度の根本から進めようとする包括的なものであり、経済、家族、教育、政治を横断した構造改革を目指している点に特徴がある。