経済政策

日本共産党の経済政策

経済政策の概要

日本共産党の経済政策は、「大企業中心から国民本位の経済へ」を掲げ、格差是正と安定した暮らしの実現を重視している。具体的には、消費税減税または廃止、富裕層・大企業への累進課税強化、内部留保への適切な課税を通じて財源を確保し、社会保障や教育の充実、賃上げの推進を目指す。また、非正規雇用の是正や最低賃金の大幅引き上げを進め、労働者の生活基盤を強化する方針を示す。加えて、気候変動対策として再生可能エネルギーへの転換と大胆な環境投資を進め、地域経済の活性化につなげる構想も特徴的である。全体として、国の財政や経済運営を市場任せにせず、公共の役割を高めることで持続的で公平な経済を目指す政策体系となっている。

税・財政の基本構想:格差是正と「応分の負担」

日本共産党は、税制と財政の基本的な役割を「暮らしを守り、国民間の格差を是正すること」にあると位置付けています。日本で過去数十年、消費税(間接税)が累計で数百兆円規模の税収をあげてきた一方で、法人税や所得税など直接税の税収は大幅に減少し、結果として「富裕層・大企業優遇」「庶民に重い税負担」という逆進性の強い税制が固定化してきました。そのため、間接税(消費税)に頼る財源構造を見直し、所得や資産の多い層・大企業に応分の税負担を求める「累進課税」「資産課税」「法人税・所得税の適正化」によって、公平な税制を再構築するという方針を掲げています。

消費税の削減または廃止、そして財源の確保

日本共産党の最重点政策のひとつに、間接税である消費税の「減税または廃止」があります。とりわけ近年の物価高が国民生活を圧迫する中で、消費税の引き下げを急務とし、例えば標準税率を5%へ減税することを主張しています。では、その分の財源はどう確保するか。「大企業の内部留保への時限的課税」「富裕層・大企業への応分の課税強化」を通じて、毎年10兆~15兆円規模の恒久財源を確保できます。こうした代替財源によって、社会保障・教育など国民生活に関わる公共サービスを維持・充実させながら、消費税依存からの脱却を図ろうとするのが日本共産党の基本戦略です。

労働と所得政策 ― 最低賃金引き上げ・賃上げ支援

日本共産党は、単なる減税だけでなく、「賃金アップと労働環境改善」を強く打ち出しています。具体的には、全国一律で最低賃金を時給1,500円に引き上げることを目指し、将来的には1,700円を視野に入れています。また、不安定な非正規雇用の改善や、労働時間・雇用の安定化なども政策の重要な柱です。一方で、中小企業にとっては賃上げが経営負担となるため、共産党は大企業の蓄え(内部留保)に対する課税などで得た財源を用い、中小企業への直接支援を行うことで「賃上げと雇用の安定」を両立させる方針を立てています。

社会保障・公共サービスの充実と「税・財政」の役割重視

日本共産党は、現在の日本経済が「大企業・富裕層優遇」「財界中心」「間接税頼み」の歪んだ構造になっていると分析しています。また、こうした構造は近年の格差拡大や生活の不安定化、社会保障の弱体化を招く原因になってきました。そこで、日本共産党は「応分の負担」「再分配」「公共の役割強化」という観点で、経済と社会の構造転換を目指すことを主張しています。その中心にあるのが、税・財政政策を通じた「公正で持続可能な経済社会」の構築です。

最近の提案 ― 物価高対策と「3 点セット」

物価高が続く中で、共産党は最近、「緊急経済提案」として ①消費税5%への一律減税②大幅賃上げ③医療・介護など社会保障分野の拡充、という“3点セット”を打ち出しています。そしてこの提案のための財源を「大企業・富裕層への課税強化」「内部留保への時限課税」で明示しており、単なるバラマキではありません。このように、単に誰かを助けるための一時しのぎの政策ではなく、「税と財政の仕組みを根本から見直すことで、将来的にも安定した国民生活と経済の基盤をつくる」ことを狙っている点が特徴です。

経済政策の理念 ― 市場任せでなく公共の役割を重視

日本共産党の経済政策の根底には、「市場任せ」「大企業優遇」「間接税頼み」の経済運営への批判があります。日本共産党が目指す資本主義の枠内での変革は、「所得や資産の分配」「社会保障」「公共サービス」を通じて、国民全体が安定した生活を営める社会 ― つまり、経済の力を公共の福祉につなげる“公共的経済”。 税制・財政を通じて、格差を縮め、社会全体の底上げを図る、という基本経済政策です。

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